旅バカ学生のつぶやき.com

旅バカ学生のつぶやき

現在、北米で留学中の大学生!旅行のススメや行き場のない不満などをつぶやきます

なぜオーバブッキングが起きるのか、わかりやすく説明してみる【ユナイテッド航空】

 

f:id:sun-xyz:20170413074019j:plain

 

こんにちは〜

 

 

ユナイテッド航空が乗客を引きずり下ろしたことで話題になっていますが、そもそもなぜオーバブッキングが起きるのか説明したいと思います。確率の話が出てきますが、数学な苦手な人でも分かるくらい簡単なのでご安心を。

travel-and-study.hatenablog.com

 ユナイテッド航空のこの事件はオーバブッキングが原因ではなく乗員を急に運ばないといけなくなったからという説があります

 

オーバブッキングの目的

なぜ航空会社はオーバブッキングをするのか、その理由は至ってシンプルで利益を最大限に出したいからです。

それではなぜオーバブッキングをすることで利益を最大化できるのか、その理由もシンプルでチケットを購入した全員が当日空港に来るわけではないからです。

そんなことある?と思う人もいるかもしれませんが、寝坊や渋滞、急用などで当日空港に来ない人が一定の割合います。航空会社は利益を最大化するために、そういったことを見越して予約を実際の席数より多く出しているのです。

 

 

どれくらい多く売るか

航空会社は何十年にもわたって、チケットを買ったけど乗らなかった人のデータを蓄積しています。そのデータからで路線、時間帯、時期などを複雑に計算して、どの路線ではどれくらい多く売っていいかを導き出しています。

航空会社によってその計算式が違ったり、客層が違ったりするのでオーバブッキングがよく起きる航空会社とあまり起きない航空会社が生まれるのです。

 

なぜオーバブッキングをすると利益が上がるのか

実際に予想よりも多くの人が来て、乗れない人にホテルや現金などを補償すると損ではないか?と思うかもしれませんが、たとえ損をしたとしても全体で見るとオーバーブッキングしない場合よりも利益が上がるのです。

その理由は確率にあります。

 

何人が実際に乗るのかという確率は以下のような二項分布(図は正規分布)と呼ばれる分布に沿っています。

f:id:sun-xyz:20170413064711p:plain

グラフの中の数字は確率を示していて、たとえば160人から170人が当日空港に来る確率は13.6%、180人から190人が来る確率は34.1%といった具合です。

 

ここで200人乗りの飛行機に対して210枚のチケットを売ったとします。このグラフから定員より多い201人以上が空港に来る確率はわずか2.2%、定員以下の乗客が当日空港に来る確率は97.8%だということがわかります。

つまり100回これを繰り返しても、飛行機に乗れない人が出てしまうのは約2回だけで、あとの約98回は10枚チケットを余分に売ったことで利益が生まれるのです。

 

 

実際に計算してみる

以下の条件を設定して100回運行した場合どれくらいの利益があるのか計算してみましょう。

  • 毎回10枚余分にチケットを売る
  • チケットの値段:1万円
  • オーバーブッキングで乗れなかった人への補償:5万円
  • 100回中、2人が乗れなかったのが1回、5人が乗れなかったのが1回
  • チケットはどの便も完売

とすると、

定員より多く売ったことに対する売上は

1万円×10枚余分×100回=1000万円

乗れなかった乗客への補償は

5万円×7人=35万円

 

つまりチケットを多く売ったことに対する利益は

1000万円ー35万円=965万円

となります。

チケットを10枚多く売っただけで、定員分しか売らないときよりも965万円の利益が出ちゃいます!もちろん航空会社は多くの路線を運行しているのでそれを考えるとオーバーブッキングだけでかなりの利益を出していることがわかりますよね!

 

 

オーバーブッキングは仕方ない

航空会社も企業である以上、利益を少しでも多く出さなければなりません。そのために予約を多く取ることが必要なのです。

またオーバーブッキング込で航空券の値段が設定されているため、オーバーブッキングを禁止すると運賃が上がるとも言われているので、全員が当日空港に来ない以上は、仕方がないことなのです。

今回のユナイテッド航空の事件の原因がオーバーブッキングだったとしても航空会社を責めることはできませんし、絶対に降ろされたくなければある程度高めの航空券を買うことで降ろされる可能性を低くできます。

 

 

まとめ

オーバーブッキングをする理由、それは利益が多くなるからです。実際の計算は上で説明したよりも、もっと複雑ですが基本的な考え方はこんな感じです。

たまたま予想よりも多く空港に来てしまった場合は誰かが降りることになりますが、振替するボランティアを募集してもまだ降りる人がいないというケースはまれで、金額が上がれば誰かが名乗り出ます。

金を払っているのにどうなんだという意見もありますが航空会社も一企業なのでそこは温かく見守りましょう。私は安ければユナイテッド航空これからも乗りますよ!

 

※数学的なことなど細かい間違いは見逃してください!

 

 

以上!!

 

 

  

 

 

travel-and-study.hatenablog.com 

travel-and-study.hatenablog.com